「使徒アンデレの信仰」森 史子 牧師
詩篇130編5節
ヨハネによる福音書6章5〜11節
「わたしについて来なさい。人間をとる漁師にしよう」。主イエスが四人の漁師達に言われた言葉です。彼らはガリラヤ湖で漁をする漁師でした。
主イエスの最初の弟子は、シモン・ペトロとその兄弟アンデレです。彼らは、バプテスマのヨハネの弟子でキリスト(メシア)を信じ、待ち続けていたのです。そして、彼らはキリストに召されて十二使徒となりました。アンデレは兄弟ペテロと比べると、聖書での記述は多くはありませんが、彼は主イエスを人々に紹介するのが、得意だった様です。
(ヨハネ1:41~43)主イエスに先に出会ったアンデレは、兄弟ペトロに「わたしたちはメシア『油注がれた者』に出会った」と言い、ペトロをイエスのところに連れて行きました。またヨハネ12:20~では、イエスに面会を願ったギリシャ人たちをピリポと共にイエスのもとに連れて来ました。その時に語った有名なイエスの言葉:(ヨハネ12:23~24)
「はっきり言っておく。一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが死ねば、多くの実を結ぶ」 主イエスは異邦人の姿を見て、十字架の死が近いこと、そして、その死によって異邦人にまで救いが述べ伝えられることを、悟られました。
アンデレは個人的に主イエスを伝える(個人伝道)に優れた人でした。伝道が苦手と言う人もいますが、教理や体験を伝えるのではなくアンデレのように、主イエスを紹介することに徹すれば楽しく伝えられるでしょう。いつもペトロの影に隠れた脇役のアンデレは、殉教の死の時も主イエスと同じ十字架では勿体無いとX型十字架にかけられたと言われています。X型十字架は聖アンデレの十字架と呼ばれています。
アンデレの人生の喜びは、主イエスが常に主役であり、自分が脇役になった時です。
アンデレが最初に主イエスに紹介したペトロは、ペンテコステのメッセージを語る大使徒となりました。またヨハネ6章(5千人に食べ物を与える)では、アンデレは多くの群衆を前に不可能に直面した状況の中で、一人の少年を主イエスに紹介しています。
ヨハネ6:9「ここに大麦のパン五つと魚二匹とを持っている少年がいます」半信半疑だったが、アンデレはこの少年の持っていたお弁当に目を留めました。少年と弁当の両方を主イエスに差し出したのです。そこには、主イエスへの信頼と希望、少年への愛と感謝が見えます。 主イエスは、少年も空腹な群衆も、弟子たちも憐れみ愛してくださる方です。
信頼して、信仰を持って、自分の持っているものを生かしきる人生を歩みましょう。